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2005年4月23日土曜日

初めて稼いだお金

先週から、ヒマラヤンアクティビティーズの経営者の甥っ子・プラメシュが、オフィスの手伝いに来ている。

17歳の彼は、SLC(高校卒業同等資格が与えられる全国共通試験)を終え、休みの真っ最中だ。3ヶ月後ぐらいからキャンパスに通う予定でいるらしいが、それまでの間、家にいても特にすることもないため、オフィスに来て仕事を覚えている。

本日、TG便にて2組のゲストがカトマンズに到着した。トレッキングの説明などをオフィスでした後、ゲストをホテルまで送っていくとき。

どんな仕事でも、嫌がることなくしてほしい、と、プラメシュに荷物を運ばせることに。人目が気になる年頃の17歳だが、プラメシュは嫌がることなく荷物を背負い、近くのホテルまで運んでいった。ホテルに到着すると、ゲストが、チップとして1ドルを彼にくれたらしい。

オフィスに戻ってきて、1ドルをもらったことを、嬉しそうに話すプラメシュ。

『ネパールルピーに換えたかったら、すぐに換えてあげるよ』というと、『初めてボクが仕事をして稼いだお金。使わないでずっと取っておきたい』とのこと。

外国人相手に仕事をしていると、簡単にお金を稼ぐことを覚え、悪い意味で外国人慣れしてきてしまうネパール人も多いが、そうならずに、成長していってほしい。

===余談===

プラメシュには、母親がいない。彼が生後1年に満たないうちに、白血病で死んでしまったそうだ。だから、彼には母親の記憶は全く残っていない。

母親の死後、父親が再婚してしまったため、彼は小さい時から母親の兄弟姉妹(おじやおば)の家庭を転々としながら成長してきた。

話を聞いていると、日本だったらグレてもおかしくないような環境で育った彼だが、おじ、おばの愛に恵まれて、素直で優しい青年に成長した。

彼の母親は、死ぬ間際に、まだ生れたばかりの自分の息子に、手紙を残したそうだ。プラメシュが25歳になったら、この手紙を渡してほしい、と言って。

まだ言葉も発しない、歩き回ることもできない、生後1年にも満たない長男を残して、この世を去らなければいけなかった母親は、どんなに無念だっただろう。

なんだか泣けてくる話である。

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