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2006年9月3日日曜日

雨乞いの儀式

毎週日曜日発刊のネパール語週刊誌に、面白い記事が載っていた。

雨の少なかった今年の雨期。ネパール南部に位置するナワルパラシ郡の一部の村では大干ばつ被害に遭っているという。

この地方では、雨乞いのための独特な風習があるとのこと。それは『深夜みんなが寝静まった頃、女性たちが集まって、全裸で田畑を耕す』という風習なのだそうだ。そして、『ただ耕すだけではなく、雨の神・インドラ神を罵りながら耕す』のだそうだ。昔からの言い伝えに深く影響しているそうなのだが、ネパール国内にも、地域や民族によって、興味深い風習がいろいろあって面白い。

ここ何年も、このようなことをしたことはなかったらしいのだが、今年の雨不足で大干ばつに見舞われ、田畑が枯れ果ててしまった。そこでついに女性たちは意を決し、夜、裸になって、田畑を耕しているという。

ここで、ネパールの田の耕し方を少し説明したい。日本も昔はそうだったのだと思うのだが、こちらでも農耕機(トラクター)などを使う習慣はなく、すべて人力作業。去勢牛(ネパール語ではゴルという)に農耕具を引かせて耕したりもする。

そこで、だ。ネパール南部のその地域では、裸になった女性何人かはゴルの役をし(つまり、四つんばいになって田畑を歩くのだと推測できる)、田畑を耕しているそうだ。想像すると、妙に生々しいこの光景、他人事ながら恥ずかしくなってしまう。

もちろん、男性立入厳禁だし、見てもいけないとのこと。しかし、作業終了後、カジャ(軽食のこと。ここでは夜食のような意味合いで読み進められる)を差し入れる習慣もあるそうなのだが、差し入れは、村で一番偉い人物がしなければいけないとのこと。村の偉い人物といえば、たいていは男性になってしまう。そこで、目隠しをして現場(全裸の女性が集まる田畑)を訪れているそうだ。差し入れ人が精力みなぎる中年男性ではなく、よぼよぼの長老であってほしい、などと、どうでもいいことを考えてしまった。

女性たちのためにも、雨乞いの効果があってほしいと思う。

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さて、上記の地域からそれほど離れていないネパール南西部(バルディア郡など)では、先日から大雨の被害が出ている。多くの人が大雨により家を失い、緊急に食料や医薬品を必要としているそうだ。ネパールのことなどめったに流れない日本のニュース(NHKBS)で、昨日深夜(日本時間の本日未明)、このニュースを流していて少し驚いた。それほど被害は深刻だということなのだろう。

大干ばつの被害に遭っている地域と、大雨の被害に遭っている地域、直線距離にして約400km程度しか離れていない。自然は意地悪だ。

ちなみにここカトマンズでは、まだ雨期は終わっていないが雨不足には変わりなく、すでに計画停電が始まっている。雨の神・インドラ神は、何をしたら雨を降らしてくれるのだろう?

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