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2006年11月16日木曜日

エベレスト(ネパール名:サガルマータ)はどこにある?

新しく雇った女性スタッフが、かかってきた電話を受けた。

ナムチェバザール(エベレスト街道トレッキング拠点となる標高約3500mの山間の町)からの電話のようだ。会話の内容から、電話の主は私たちのガイドを探していて、今後のトレッキング予定を聞いているようだった。おそらく、ナムチェあたりに住み、ポーターで生計を立てている、私たちのガイドの知り合いに違いない。

エベレスト街道トレッキングでガイドが同行し、ポーターも必要となるとき、ルクラ(カトマンズから国内線で約30分の場所にあるトレッキング開始地点。標高約2800m)から雇用することが多い。ポーター採用の基準は、たいてい、そのあたりに住んでいるガイドの親戚関係にあたる者、いつも利用するロッジで紹介してもらった者、などとなる。

電話のやり取りを聞いていたのだが、電話の主と、女性スタッフとのかみ合わない会話に、思わず苦笑してしまう。女性スタッフの基本的知識不足が原因で、とんちんかんなやり取りとなっているのだ。思わず、貴女、ネパール人でしょ、と突っ込みたくなってしまうような返答ばかり。

たとえば、これ。

電話の主に「クーンブ地方のトレッキングは次回いつか?」と聞かれたのだろう。予定表を見ながら、さらっと答える彼女。

「え?クーンブ??次にあるのはエベレストベースキャンプまでのトレッキングで、クーンブの予定はないわ」

・・・おいっ!だからその、クーンブ地方の中に、EBC(エベレストベースキャンプの略。標高約5400m)も含まれるのだが、彼女はわかっていないようだ。日本版に直すと、『え?東京方面にいつ行くかって?新宿に行く予定はあるけれど、東京に行く予定はないわ』といっているようなもの。

ナムチェバザールからの電話だ。こんな埒の明かないやり取りをしていたら、先方の電話代ばかりが高くついてしまって気の毒だ。痺れを切らして、私が電話を替わった。

あなた、ウチのガイドの知り合いなのね?ポーターの仕事を探して電話してきたんでしょ?数日後にガイドがルクラ入りする予定だから、待っていれば仕事につけるわよ。

電話の主は、やっと話がついて安心したように電話を切った。

生まれ育った街の外には、なかなか出る機会の少ないネパールの人たち。特に女性は箱入り娘状態で、自分が住む地域以外のことはまったく知らないことも多い。そんな人たちのことを、なんとなく愛しくも感じはする。が、ネパール人として世界に誇るエベレストがある地域を知らないというのも、どうしたものかと思ってしまう。一般庶民にとっては、エベレストなどその程度のものなのかもしれないが。

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